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日本三霊山

日本では古くから山や自然と我々日本人の生活や信仰とは密接に繋がっていました。

霊山と言われる場所の多くは険しい山であり、昔は簡単に登ることが出来ませんでした。故に修験者などが修行の場としてきました。それと同時に雨や雪解けによる水が多くの命を育み、我々の生活を豊かにしてくれる有り難い存在でもありました。水が無くてはすべての生物は生きていくことが出来ません。宗教という堅苦しいモノでは無く、自然の恵みに対する感謝と畏怖の念が根底にあったのだと思います。

 

そんな日本に多くある霊山の中でも特に昔から信仰の篤かったのが「富士山」「白山」「立山」です。

富士山は日本で一番高くて美しい山で「二つと無い山」で「不二山」から「富士山」となったという説もあります。

おとぎ話の「かぐや姫」にも出てきますが、それくらい昔から日本人は富士山を愛し、誇りとしてきました。

江戸時代には富士講と言って全国各地から富士詣でが流行となるほどでした。今でも私たちは麓からの眺め、また山上からも素晴らしい景色で楽しむことが出来ます。

山頂には浅間大社の奥宮があり、此花咲耶姫命が祀られています。この神様は絶世の美女だったそうで、サクラの語源になったとも言われています。

家庭円満・安産・子安・水徳・火難消除・安産・航海・漁業・農業・機織等の守護神です。(浅間大社縁起より)

 

白山は日本海に面しており、積雪が多く麓からは山頂付近に一年中雪が見えたことから、古くは「越の白峰」と呼ばれていました。白山は養老元年(717年)に泰澄大師が初登頂して開山したと言われ、本年がちょうど開山から1300年の記念の年となりました。雪が多いと言うことはそれだけ水も多く、山頂の室堂付近には美しいお花畑が咲き誇っています。麓では五穀豊穣の他、和合・結び合わせ・縁結びの神様として菊理比咩命が白山比咩神社にお祀りされており、7月8月は山頂の奥宮で参拝することが出来ます。

 

立山も今ではアルペンルートが開通して非常に身近になっていますが、古くは極楽と地獄があると言われて修行の場とされて居ました。地獄の由来である地獄谷は現在では硫黄性ガスの為に立ち入ることは出来ませんが、昔から火山性のガスが噴出していて生物が住める場所ではありませんでした。それでも立山の主峰である雄山に登れば、富士山も白山も見渡せて、360度の絶景を拝むことが出来ます。この山頂には雄山神社があり、家業繁栄・縁結びの御利益がある伊邪奈岐神と諸難防災・開運のご神徳がある天手力雄神が祀られています。

 

どの山もこの時期は小屋や奥宮が閉まっているため、登山には向きませんが、7月8月を中心に夏期の開山期には奥宮にも神職が勤めており、御祈祷や御札・御守・御朱印等を受けることが出来ます。ピークハントも良いですが、ちょっと立ち止まって古き歴史をのぞいてみては如何でしょうか?