石鎚山開山祭

瀬戸内海を臨む愛媛県にそびえる西日本最高峰。頂上の天狗岳は標高1,982mで烏帽子の様な切り立った姿が特徴。日本七霊山の一つにも数えられ、修験道の行場としても知られる。主な登山口は西条小松町の「成就」と久万高原町の「土小屋」で、登山口から頂上まで約3.5km。登山口までは松山市の道後温泉から車で約90分。近年、エコツーリズムも人気。(石鎚神社会館案内より)

 

7月1日にお山開きが行われたばかりの石鎚山へ7月3日-4日で登拝してきました。10日までは特別登拝期間となっており、麓の石鎚神社より御神体が上げられています。この日も山伏の格好や装束姿の方々が沢山登っていて、時々聞こえる法螺貝の音も印象的でした。

ロープウェイを使えば成就社まではすぐですので、登山以外にも一般の参拝者の方々も多く訪れています。お山開きの祭には「身も心も清々しく清めて生まれ変わる特別な期間」であると伝えられているそうです。この山に限らずどの山でもそうですが、山の中にいると自然と気持ちが落ち着くのは不思議なものです。

 

石鎚山は元々は修験者の修行の場であり、成就社から山頂までには「試しの鎖(74m)」「一の鎖(33m)」「二の鎖(65m)」「三の鎖(68m)」と4つの鎖場が設けられています。

鎖場はかなり急登なので、初心者の方には少々キツいかもしれません。実際にこの日も小学生が親の目が離れた隙に一人で三の鎖に登ってしまい、途中で上にも下にも動けない状態になり、山頂に駐在する西条警察の山岳救助の方々が出動する騒ぎとなっていました(幸いにも無事に救護されて、その後子供は山頂ではしゃいでいて一安心しました。)ので、安易な挑戦は本当に危険です。自信のない方、又天候の悪いときは無理をせずに迂回路を使用することを強くお勧めします。

 

山頂には山頂小屋があり、石鎚神社奥宮が鎮座しています。朝拝・夕拝も行われており、宿泊者・登山者も参加することが出来ました。折角なので参加させてもらいましたが、神社の大祓等の祝詞の他、般若心経も唱えていましたので、古来の神仏習合の名残が色濃く残っているのだと感じました。

山荘では宿泊の他、休憩や食事も出来ますが、ゴミはすべて持ち帰りとなっています。山荘には携帯トイレブースもありますので、携帯トイレを持参することもお勧めします。

今回は台風の影響で叶いませんでしたが、天気が良い日の朝に天狗岳から拝む御来光はそれはそれは美しいそうです。

 

麓の土産屋には天狗をモチーフとした物が多くあったので、山頂の神社でその事について訪ねてみたところ、山頂が天狗岳と言われるようにこの山には昔から天狗が居ると言われてきたのだそうです。石鎚神社に代々使える神職さん家で伝わる話に拠ると『昔、幼い女の子を連れた父が夜明かし峠を過ぎたあたりで、急にその女の子が居なくなってしまい、必死であたりを探したものの、いくら探しても結局見つかることはなく、仕方なく家へと悲しげに帰った。しかし、何年かした頃にふとその女の子が家に帰ってきたそうです。父親は嬉しいやら驚くやらでいったい何処に行っていたのかと尋ねたところ、「赤い顔をした鼻の高い人に育てられていたけど、大きくなったので帰された」と答えた。』のだそうです。これも所謂、神隠しの一つなんでしょうね。

 

台風が近づいてはいたものの、下山時は雨に降られることもなく、無事に下ることが出来ましたが、成就社につく頃には激しい雨が降り始めました。名残雨ですね☔無事に下山出来たことに感謝です。

道中の小屋で戴いた「冷やし力水」も疲れた体に染渡り、活力となりました!

 

下山後は折角なので道後温泉にも立ち寄ってみました♨

帰路の途中では、坊っちゃん団子や讃岐うどんなども戴きながら、四国の魅力も交えつつの山行旅となりました。

 

開山祭は7月10日までですが、山頂小屋は11月3日頃(天候状況により変動)まで開いています。秋の紅葉も美しいので、機会があれば是非とも訪れてみては如何でしょうか?